Father Ted Festivalに参加した!

【テッドのフェスティバルに参加したら新聞に載った!】

今年は初めて東洋人が来たということで、私はテレビやラジオや新聞に出まくってしまいました。


http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/7265707.stm




Arther and Graham

作家の二人にも会うことが出来ました! 感激。



ちょうど到着した二人がテレビなどの取材を受けているところです。二人の間にはさまれているのは離婚調停中だという(笑)マンチェスターからきたGaryさん。ヘンな人でした(笑)でも面白い人でもありました。

私は大興奮で二人に会って握手をしているところを、しっかりRTEに取材されましたが、放送では採用されなかったようです。ちょっと残念(笑)。本物の二人はグラハムが人懐っこい感じ、アーサーがアーティスティックで優しい感じなのはコメンタリーやインタビュー映像などで感じられる印象と一緒です。私はしっかりこのタイミングで本にサインをしてもらいました。

その後、二人は夜コミュニティホールでQ&Aに参加してくれて、いろいろ面白い話をしてくれました。そのネタもそのうちここに少しずつ書いていきますが、二人の好きなエピソードは、と聞かれてアーサーが「Entertaining Father Stone」と言っていたのが興味深かった。というのも実はあのエピソードは私が一番よく理解できないエピソードだからです。もちろんおもしろいとは思うし観るたびに笑えるんですけど。一方のグラハムは「Speed 3」と答えてみんなの大喝采を受けてました。

グラハムに「こんなにたくさんの人が集まってくれて、まだ僕らの作品を好きだといってくれて本当にうれしい。今回は放送されたことのない遠い国、日本からヨーコも来てくれたし」なんてステージから社交辞令を言ってもらってちょっと嬉しかったです。が、日本から来たのがパンダでもそう言ってくれたでしょうから(笑)、ここは冷静に受け止めておきましょう。そんなことよりも早くテッドが日本でも放映されるように働きかけて、二人に認められたいものです。アーサーに「小さなフィルムフェスティバルでもいいから上映できないかなーと思うのよね」と言ってみましたが、反応いまいちだったなぁ(笑)。

どっちにしても作家の二人よりはHat Trickに話をしないと無理でしょうね。フェスに来ていたアメリカ人の人によるとテッドはアメリカでは全然受けなかったのだそうです。実際フェスに来ていたのはアメリカ人は彼女くらいで、あとはほとんどアイリッシュ、一部英国人、という感じでした。まずあのユーモアのセンスが受け入れられるかが非常に問題ではあります。




【Ted Fesの楽しみ方】

テッド・フェスに参加するからといって、超エキスパートなテッドファンでなくても大丈夫なような気がしますし、いわゆるトリヴィア的な知識はあまり役にたたないように思われました。が、基本的なセリフはほぼ確実に覚えていった方がいい。

たとえば「How long was the journey?」と聞かれたら自分が10時間以上飛行機に乗っていたとしても「4 hours!」と怒ったように言わないといけない。(Competition timeのエピソード参照)

とにかく誰かがセリフを叫んだら、すぐにそれに続くセリフを叫ばないといけません。誰かが「I heard you are a racist」と言ったら、「Good for you Father! Good for you!」とか、 「Feckin Greeks! They invented Guinness!!」と叫ぶ、とか。とにかくセリフは、ある程度、空で言えるように鍛えておくべきですね。

またビショップの格好をした人にはすれ違いざまにドゥーグル風に「Hello Len」と言うとか。とにかく頭をフル回転させて、いかにおもしろい事が言えるか、それがポイントです。また人に声をかけるときは、当然ですが「Father」とか「Sister」とか「Grace」とか、声をかけないといけません。

オープニングセレモニーで「ダーモットは亡くなったけど、テッドの精神は永遠です」と主催者がスピーチをしたら(そう今年は10周忌なんですよね)、誰かが「That would be an ecumenical matter!」と叫んだのには大爆笑でした。

またいわゆる普通の牧師や修道女の格好をするよりも、マイナー・キャラクターでも、それを完璧に真似る方が受けているような気がしました。今回大ヒットだったのは、トムを真似て「I shot JR」のTシャツを着た女の子が、眉毛をトムみたいにつなげて描いてたこと。そして彼女はボロボロのウサギのぬいぐるみを抱えていました。芸が細かい! 彼女はなんだか顔もトムに似ていて、ばっちりでしたよ。

私はTraleeで大量にフェレロ・ロシェを買って持っていきましたが、嬉しい事にあれも受けてましたね。ちゃんともらうときは当然ですが「You are spoiling us」と言わないといけません。来年行けるかどうかわからないけど、またフェレロ・ロシェを主催者に送ろうかな(笑)。もうこれは恒例にして毎年送る、とか(笑)。Far Eastのテッドファン代表として、何かしたいものです。

私は今回はまったく一人で参加しましたが、あっちこっちの人から話かけられて、退屈しませんでした。みんな親切にしてくれたし特にベルファーストから来たというジャーナリスト3人組とはすっかり仲良くなっちゃっいました。(もっとも東洋人が来た、彼らにとっては嬉しいネタだったんでしょうけど)

それにしても、いかにもアイリッシュ的なゆるゆるの催しで、一応タイムテーブルらしきものは渡されるものの、だいたいのイベントは30分から1時間押し。下手すると2時間くらい、どうなってんだろ、ま、いいっかとパブでうろうろしたり、本を読んだりして待っていた時間もあった。そして、いずれのイベントも、きっちり企画されたり、仕込まれているわけではなく、ある意味結果はその場に参加した人たち次第という感じのノリで催されていました。でもそれが本当にいいんです。みんな必死でその場を楽しくしよう、と努力する。で、結果、めちゃくちゃ楽しくなる。

それでもチケット代は3日間通しで100ユーロ以上しているわけなのですが、こんな小さな場所で、この人数で、こういう企画だったら、まぁ妥当なところでしょう。実際オフシーズンで閑散としたあの町にお金も落とさないといけないだろうし。夜中まで騒ぎまくって、町の人全員の協力と理解がないと実現しない。もっともPaddy Powerとか結構スポンサーも、しっかりついているみたいでしたけどね。実際あれだけ新聞やテレビに出たらパブリシティ効果も抜群だろうし。

それにしてもアイリッシュはこういう楽しみを自分たちで作りだすことにかけては天才だと改めて感心しました。あぁいう部分は私たちも学ばなくてはいけません。日本人は、と、言ってしまうのはイヤですけど、日本人は傾向として自分で責任を取らないくせに文句ばかり言うと何につけても思います。政治や官僚組織が腐敗していく理由もそこにあるように思うのです。悪くしているのは責任を取らない一般の人々だとみんなが自覚するべき。そんなことも感じたフェスティバルでありました。



【反響いろいろ】


テッドフェスに参加した最初のパンダ、じゃない(笑)日本人として、すっかり有名になっちゃいました。取引先からはテレビで観たとか、ラジオで聞いたとかテキストやメールが入るし。それにしてもせっかく紹介させるなら自分の仕事で認められたかったよなぁ。なんて贅沢ですが。まぁ、ダーモットが亡くなって10年目のフェスティバルの盛り上げ役になれて良かったです。ちなみに記事の内容は通信社配信らしくどれも似たようなもんです。

Breakingnews Ireland
Examiner Ireland
Metro UK
This is hull and East Riding UK
Entertainment UK
Irish Examiner
On Line Ireland

ガーディアンにも載った!
http://www.theguardian.com/travel/gallery/2008/mar/03/ireland.photography?picture=332783530#/?picture=332783527&index=1




【エニスタイモンの思い出

とにかく車のない私の移動方法はひたすらパブリックトランスポート(含むタクシー)。

宿泊するリスドンヴァーナまで一番近いのはエニシュタイモンという小さな町。この町までならエニスからバスがある。というわけで、エニシュタイモンをピックアップしたのは割と偶然だった。他にもドゥーリンとかチョイスはいくつかあったんだけど。

エニシュタイモンに到着するとそれはハイストリートのど真ん中。でも当然タクシーなんか流れちゃいない。こういう時アイルランドではパブに入ってタクシーの番号を聞いてパブまでタクシーに来てもらう。そういわけで偶然入ったパブがユージンズだった。


最初は遠慮がちにオレンジジュースをのみながら火の前で座っていたのだけど、パブのデコレーションがあまりに素敵なのと、かわいい犬がいたのでパブの中をみて回った。そしたら壁にダーモットやポーリンの写真を見つけたわけ。(しかも後から知ったのだけど、そこから「My Lovely Horse」のビデオがシューティングされた滝は目と鼻の先であったのだ)。おもわず狂喜乱舞して写真をとる。せっかくだからユージンさんにもテッドのネタで話しかければ良かった。それにしてもこのパブはとっても親切で、いきなり入って行った東洋人の私にとても親切にしてくれた。ユージンさんにタクシーの電話番号をきいて私が「電話は自分のがあるから大丈夫」と携帯電話をとりだすと、親切にも電話番号を読み上げてくれたりして。ユージンさんはダーモットや他の関係者にも親切だったんだろう。

こういう不思議ってアイルランドでは自然にある。これだからアイルランドには妖精が住んでいるとか思えてしまう(笑)このパブで「Sheep」の回と、クリスマスエピソードのシューティングが行われた。Sheepの回で王冠をかぶった羊のディーラーが豪遊しているシーンと、クリスマスエピソードではトッド・アンクシャスがテッドの話を他の牧師から聴いているシーンがそれだ。

あそこはテッドファンにはマストの聖地だ。とりあえず公共の交通機関で行けるので、ぜひファンの人は行ってみたらよいと思う。

エニスタイモン。最初エニスティモンと読んでいたら地元の人は「エニシュタイモン」と呼んでいたので、そうか、と納得。そういや共和国の人はタイローン州をタイローン州と呼び、北アイルランドの人はティローンと呼ぶ。

いつだったかルナサという伝統音楽グループのキリアン・ヴァレリーに、とある地名の名前を確認したら「その質問は面白いね。どう読むかは読む側の人が何処出身によるかだから」。それを聴いて面白い、と思った。地元の人に失礼のないように地元の人と同じように読みたいと思うのが、私たちの気持ちではあるが、いろんな意味でキリアンの意見はとってもインターナショナルだ。滞在中、エニシュタイモンのタクシー会社を使っていたので、タクシーの運ちゃんと話すのに、何度かこの地名を口にしたが、どうしても「エニシュティモン」と言ってしまう私に彼らは訂正もしなかったし、それで通じていた。外国人が間違うのに慣れているのだろう。だが結局、英語というのは、そういうものかもしれない。今や世界のどこかで英語を聞いたとしても、なまっていない英語を聞く事の方が圧倒的に少ない。それにアイルランド人は得てしてこういう事には大らかだ。